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『回想「豊穣の海」三番瀬 聞きとり調査レポート』を発表!
2025年3月、NPO法人三番瀬フォーラムと東京海洋大学沿岸域管理研究室では、『回想「豊穣の海」 三番瀬 聞きとり調査レポート』を発表しました。
●レポートは以下をクリックしてご覧ください
『回想「豊穣の海」 三番瀬 聞きとり調査レポート』[PDFファイル]
(特定非営利活動法人三番瀬フォーラム・東京海洋大学沿岸域管理研究室)
2025年度から、市川市が、三番瀬の塩浜地先の海域において覆砂による干潟再生に向けた事業を実施しようとしています。
三番瀬の自然環境が大きく変貌してしまった今、この事業を評価する際に重要なポイントの一つは、そもそもこの海域がどのような海だったのかを知ることです。
そこで、この度、私たちは、この海域の過去をよく知っている地元の漁師や元漁師から聞きとり調査を行い、記録にまとめました。
聞きとり調査の結果、ここが元々は沖まで砂の干潟が広がる海であることが明らかになりました。
実は、この海域が干潟であったという話は、これまでも漁師のようにこの海域を利用していた地元の人々の間では長く語られてきましたが、今回の聞きとり調査によって、このことが改めて裏付けられたことになります。
覆砂するエリアのうち、塩浜護岸近辺は特に深くなっています。しかも、沖に行くほど浅くなる構造になっています。
言うまでもなく、本来の干潟・浅瀬の形状は、沖に行くほど深くなりますが、ここでは逆転しているのです。
この結果、護岸直下の深い箇所では生物の数も種類も貧弱となり、沖に行くほど、浅い砂泥質の土砂を好む生物が増えているのです。
しかし、かつての三番瀬は、レポートで漁師や元漁師が語るように、沖まで干潟が広がり、アマモなどの藻場があり、豊かな生態系を持っていました。そして、豊穣の海として、人びとの生活を支えていたのです。
今回の調査によっても、三番瀬が自然再生を必要とする海であることは明らかです。
私たちは、過去の自然環境に思いを馳せながら、引き続き、三番瀬の自然再生と、それを基軸にした街づくりに向けて活動していく所存です。
(NPO法人 三番瀬フォーラム理事長 安達宏之)
※注:本電子冊子の製本作業の中で発見された誤植等の軽微な改訂をし、データを再アップした。(4.9記)
三番瀬フォーラムでは、東京湾三番瀬の保全・再生に向けて様々な活動をしています。このページでは、その活動のひとつをご紹介します。
